不整脈とは、心臓の収縮のリズムが乱れた状態を言い、1.脈が増えるタイプの不整脈・・・頻脈型不整脈(ひんみゃくがたふせいみゃく)、2.脈が少なくなるタイプの不整脈・・・徐脈型不整脈(じょみゃくがたふせいみゃく)に分かれます。
1.頻脈型不整脈には、期外収縮(きがいしゅうしゅく)、発作性頻拍(ほっさせいひんぱく)、心房細動(しんぼうさいどう)、心房粗動(しんぼうそどう)、心室細動(いんしつさいどう)、心室粗動(しんしつそどう)、洞性頻脈(どうせいひんみゃく)などの種類があります。
2.徐脈型不整脈には、房室ブロック(ぼうしつぶろっく)、洞不全症候群(どうふぜんしょうこうぐん)、脚ブロック(きゃくぶろっく)といった種類があります。
脈が飛ぶような感じがし、一回単位でときどき心臓の収縮が速くなるタイプの不整脈です。不整脈のなかでももっとも多いタイプで、ホルター心電計(携帯用の心電計で、24時間の心電図を連続して記録するためのもの。一般の心電図では長くても10秒以下の記録のため、捕らえきれない不整脈が多いことから、用いられます)を使って24時間の心電図をとると、ほとんどすべてといっていいほど、多くの人に見つかります。
期外収縮は、「早期収縮」とも呼ばれ、刺激が本来とは違った位置で発生することから起こるものです。ちょうど、歩いていてたまたまそのとき、つまずいた、といった感じです。
期外収縮は、心臓が収縮と拡張をおこなうために、心臓自身に向かって出す「刺激」が、本来刺激が起こるはずの位置(心房の筋肉の一部である洞結節)とはちがった位置から発せられるために起こるものです。
刺激の発生位置によって、次の種類に分かれます:
●「上室性期外収縮(じょうしつせいきがいしゅうしゅく)・・・刺激が心房あるいは房室結節付近で発生した場合で、命の危険はありません。
●「心室性期外収縮」(しんしつせいきがいしゅうしゅく)・・・刺激が心室で発生した場合。心臓麻痺の前兆になるような重篤なものから、病的なものではまったくないものまでさまざまです。
期外収縮は、先天性の心疾患や弁膜症が進行し、心臓肥大が目だってきた場合に、心臓の筋肉(心筋(しんきん))が変化したことが原因で起こることもありますし、心不全の場合に心筋が変化して期外収縮が生じることもあります。
また、心臓になんらかの異常や病気がない場合でも、疲労や、睡眠不足、喫煙、飲酒、刺激物(カフェイン・・・コーヒーやお茶)のとりすぎ、などが原因となって一時的に期外収縮が起こる場合が、あります。とはいえ、心臓に病気がある人を除けば、これらの一時的な期外収縮は、ほとんど心配ありません。放置しておいても大丈夫ですが、症状が気になる場合には、症状の誘因となる疲労や睡眠不足、飲酒、刺激物の摂取を控えるようにしてみてはどうでしょう。
期外収縮は、不整脈のなかでももっともよく見られるもので、24時間の携帯用心電計(ホルター心電図)を用いると、ほとんどすべての人に認められます。
期外収縮の自覚症状は、主に動悸(どうき)ですが、これもあったりなかったり人によってさまざまです。安静時でも、期外収縮が起こると、胸部にもやもやとしていやな感じを覚えたり、ドキンドキンとするなど、微妙な不快感があります。
心臓疾患を持っていない場合でも、疲労や飲酒などで一時的に期外収縮が起こります。このような場合は、本人が気にならないようなら放置しておいても大丈夫でしょう。
一方、もともと心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)、心筋梗塞、心不全などの心臓病がある人に期外収縮が起こった場合、心筋になんらかの変化が起こったなど、症状が進行したことを示します。したがって専門医に相談し、しかるべき治療を受ける必要があるでしょう。
心電図で、心室性期外収縮の波形がそろっていない、あるいは間隔が極端に短い、何度も期外収縮が連続して起こる、といった場合、「心室細動(しんしつさいどう)」という不整脈の一種の前兆の可能性があります。この危険が考えられる場合には、冠動脈疾患集中治療室(かんどうみゃくしっかんしゅうちゅうちりょうしつ)(CCU)への入院が必要です。厳重な監視のもとで、抗不整脈薬(こうふせいみゃくやく)による治療を開始します。