不整脈(脈拍の異常)や動悸を感じたら、まずその症状が発生した状況を観察してください。そして、不整脈や動悸のほかにどのようは症状が伴っていたか、に着目します。
●その症状は、1.動いたとき(労作時)に起きました? 2.突然、起きましたか? 3.長時間続きましたか?
●不整脈や動悸のほかにどのような症状がありましたか? たとえば、呼吸困難、疲労感、発熱、胸痛または胸の不快感、発汗、空腹感、脱力感、意識障害、そのほか甲状腺の腫れや最近、やせてきた、ということはありますか?
1.労作時に動悸や不整脈が起き、それに伴って呼吸困難や疲労感が見られる場合、「心不全」が疑われます。
2.突然、急速に動悸や不整脈が生じ、それにともって、発熱と胸痛が見られる場合に疑われるのは、「急性心筋炎」です。また、同様に急速な動悸や不整脈でも、発汗、空腹感、脱力感、意識障害を伴う場合には、「低血糖症」の可能性があります。
3.不整脈や動悸が長時間続き、甲状腺の腫れややせの症状がある場合には、「甲状腺機能亢進症」という病気が疑われます。
以上の場合、いずれも一次検査として、次の検査をおこないます:
●胸部X線
●打・聴診
●赤沈・白血球検査
●CRP
●心電図
●血圧測定
●血液・尿の一般検査
●血糖値測定
●頸部X線
さらに、二次検査としては、不整脈や動悸が生じたときの状況が、1と2の場合(1.労作事に生じた 2.急速に生じた)で、心不全や急性心筋炎が疑われる場合は、「心電図」「ホルター心電図」「心エコー検査」がおこなわれます。一方、3の場合(長時間持続)は、「CT」「超音波検査」「甲状腺シンチグラフィ」「甲状腺ホルモン測定」が二次検査としておこなわれます。
不整脈(ふせいみゃく)の検査には、一般的に心電図検査(しんでんずけんさ)が用いられます。ただし、心電図検査をおこなっても、不整脈は常時、発生しているとは限りませんので、記録をとっているときに発生せず、発見できない場合や、逆に心電図検査では、不整脈の発生が記録されたものの、動悸や息切れなど、自覚症状がない場合もあります。
心電図というのは、心臓の筋肉(「心筋(しんきん)」)が収縮するたびに発生する微弱な電流の変化を波形図として記録するものです。その波形から、心臓のはたらきや異常の有無を読み取ります。心電図は、不整脈の診断と発見のほかにもさまざまな用途に用いられます。
たとえば、近年、患者数が増加し、日本人の死亡原因の上位に位置する虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)などの発見や診断、および心肥大や心臓の診断と判定、心臓病の進行や回復状態の診断、など、です。また、治療薬の効果や副作用の診断や判定にも、広く応用されます。
ただし、一般に心電図で記録される時間は、長くても数十秒であることから、そのわずかの間に異常を発見することは難しい場合が多いという問題があります。そのため24時間、機器を携帯して心臓の動きを記録し、より詳しいデータを得るために用いられるのが、「ホルター心電図」です。通常の心電図検査では、発見できない不整脈や、心臓疾患などを発見できることがあり、診断に広く用いられるようになっています。