房室ブロックは、洞不全症候群、脚ブロックと並び、刺激が心臓のなかでうまく伝わらなくなってしまった状態をいいます。ヒトの正常な脈拍よりも、脈が少なくなるタイプ「徐脈型不整脈」の一種です。
房室ブロックでは、心房から心室への伝道経路が障害されています。房室ブロックがみられるのは、リウマチやウィルスなどによる心筋炎、心筋梗塞、および特発性心筋症などです。
*ただし、ほかになんらの心臓病もみつからない、特発性のものも多いです。
房室ブロックはその程度によって、3段階に分かれます:
1度・・・ほとんど症状がみられない房室ブロックをいいます。心電図をとってはじめて発見される程度です。
2度・・・脈がときどき抜け、動悸を感じるようになります。場合によっては、数秒以上、心臓がとまってしまい、アダムス・ストロークス症候群を起こすこともあります。
*「アダムス・ストロークス症候群」というのは、心臓の異常が原因で心臓の動きがとまってしまったときに、心臓から脳へ血液が送られなくなり、意識を失ってしまう病気です。たいていは、数秒から数分で意識を回復します。ただしなかには心臓の動きがなかなか回復しない場合もあり、意識が戻らないまま死亡するケースもあります。
3度・・・心拍数が40台から、ひどい場合には、30台にまで減ります。徐脈や心停止を起こしやすくなり、アダムス・ストロークス症候群の発作を起こす人も半数程度にのぼります。
心臓は、心臓自身が「刺激」を発生し、それが心臓全体に伝えられることによって収縮と拡張を繰り返します。この刺激が発生するのは、洞結節という、心房の筋肉の一部です。
脚ブロックとは、不整脈のタイプのひとつで、洞結節で発生した刺激が、房室結節から左右の心室に分かれたあとの伝道経路になんらかの支障が生じたときにおこります。
右脚の伝道障害を「右脚ブロック」といい、左脚の伝道障害を「左脚ブロック」といいます。ただし、脚ブロック自体ではなんらの症状も出ません。心電図を調べてみてはじめて発見されます。
1.基礎となる心臓病がない場合・・・リズムが安定していて、基礎となる心臓疾患がない場合には、治療の必要はほとんどありません。ただし、定期的に検査を受け、症状に変化がないかどうか、確認したほうがよいでしょう。
2.基礎となる心臓病がある場合・・・基礎となる心臓病の治療が中心となります。ただし、治療による副作用に注意します。
3.リズムが不安定で徐脈や心停止が生じる場合・・・人工ペースメーカーを胸に植え込み、規則的な電気刺激を人工的に心臓に送り、心臓の動きを整える治療法がとられます。
*人工ペースメーカー・・・心臓が一定の時間以上、停止したままになったときに、器械がそれを感知し、自動的に電気的な刺激を発生して心臓の収縮をおこす、というものです。現在、日本で新たにペースメーカーを植え込む人は、年間で約1万人にのぼるといわれ、年々広まってきています。